足黒の蟹事件(2)

(つづき)
足黒の高校は新校舎が建ったばかりで当時新館と旧館があったそうです。新館は鉄筋の立派な建物なのですが、旧館は木造のおんぼろで、夜にろくに鍵もかかっていない状態だったそうです。
そんなときに足黒達の仲間内で鍋をしようよ、ということになったそうです。誰の家でしようかってのを決めるときに、そうだ、夜中に学校でしようってことになったらしい。旧校舎に夜中にみんなで忍び込もうという計画です。そして当日、鍋なり、具材なりをみんなで持ち込んで夜中に旧校舎の理科室に集結したそうです。その具材の中でも甲田(仮名)が持ってきた蟹に、一同のテンションは右肩上がり!全員で理科室内からアルコールランプを集めてきて始まった蟹鍋の宴は、盛り上がったのでありました。
宴も終了となり、みんなで鍋やらなんやらを持って、旧校舎理科室を後にしたのであります。「忘れもんすんなよ!見つかったらやばいから!鍋持った!?アルコールランプ片づけた!?」そうして足黒達の一団は首尾良く家路についたのでしたのでした。
しかし次の日。足黒や甲田はそれぞれに機嫌良く登校したのですが。学校で怒ると一番怖いと言われている某先生に甲田が廊下で「オハヨーゴザイマース!♪」と挨拶すると「甲田、ちょっと来い」と。固まる甲田。犯跡は完全に消して帰ったのに、なんでやー!?
甲田はそう思ったのですが、何のことはない、甲田が1匹まるごとの蟹の殻全部理科室のゴミ箱にがっさー捨てて帰ってたのが見つかったのだそうです。いわゆる手抜かりってやつですか。
愛しいですよね。そう言う無茶な高校時代羨ましくなりますねー。