NUMBER

Number」という雑誌がある。スポーツ誌の最高峰といわれる雑誌である。その時々において熱いスポーツシーンにスポットを当てて特集を組む雑誌だ(結果として野球・サッカーが多いわけだが、格闘技やその他のスポーツが扱われることもある)。
フリーのスポーツライターなどにとっては、「Number」に記事を書くことが、非常に大きなステータスとなっているらしい。
しかし、一体この「Number」という雑誌、どういう層が購読者層になっているのだろう。20代〜30代男性といったところなのだろうか。では、そういう人は何に興味があって「Number」を買うのだろう。
僕が思うに、「Number」の定期購読者はスポーツに広く浅く興味がある人か、スポーツドキュメントに興味がある人ではないかと思う。
僕は野球やサッカーのことは分からないけど、格闘技のことなら分かる。丁度今発売中のNumberは格闘技(PRIDE)特集なので、そういう記事を読むと思うのだけど…Numberの記事は内容が薄い。だから、嫌いである。
「PRIDE」などは今や観るスポーツとしてすっかりメジャーになったので、一般ファンの知識も昔に比べるとかなり豊富になってきている。だから、そういう意味では記事もそれなりの深さはあるけれど、格闘技がもっとマイナーだった頃のNumberの記事はひどかった。記事を書いてるライターはそれぞれ違うから、皆が皆という訳ではないだろうが、Nunberの記事を読むと、総じて付け焼刃の知識で知ったかぶりをして書いているという印象を受けがちである。競技や選手に対する深い理解がないのに、知ったかぶりをして書くから、妙に、記事の核心に影響のない情景描写や記者の心理描写が多くて、無意味にナルシスティックな感じがして、僕なんかはイライラする。
そういえば、かつて、Numberは記事において、総合格闘技の選手を「ストライカー」「グラップラー」「トータルファイター」「パウンダー」という4タイプにカテゴライズしようとしていた。僕は立ち読みしてて「ハァ?」と思ったが、2ちゃんねるでも、こんなNumberをアフォ扱いしていた。例えばストライカーでも寝技に対応する方法はそれぞれ違うし、寝技系の選手でも寝技に引き込むプロセスはそれぞれである。具体的に言えばミルコ・クロコップ近藤有己、小ノゲイラ吉田秀彦では全くタイプが違う。Numberが試みた分類という行為は、歴1年のオタクの発想である。
格闘技でこのざまだから、きっと世界水泳の時に水泳記事とかマイナースポーツの特集の時は、本当にひどい記事なんじゃないかと想像してしまう。
Numberが売り上げ№1であろうと、カリスマ№1であろうと、関係ない。ブランドに流されずに良いものを感じ取るということは常に心がけたいものだ。