偽装清算

姉歯建築士耐震強度偽装事件の初公判があった。
姉歯問題といえば、耐震強度偽装と共に世間の耳目を密かに一身に集めたのは、頭髪偽装事件。国会証人喚問に2回呼ばれた姉歯建築士。1度目の登場時に世間はみな「おい、これ、ヅラだろ!!!」と思ったはず。
しかし、2度目に姉歯建築士が召喚されたとき、ワイドショーやニュースを見ていた国民は我が目を疑ったはずである。そう、1度目にヅラを疑い、勝ち誇った我々をあざ笑うかのように、姉歯建築士の分け目は、完全に左右逆になっていたのである。その頭部は「ヅラですが何か」「偽装して何が悪い」何よりも雄弁にそう語っていたのであります。あるワイドショーなどは、得意げに2枚の写真を並べて編集していましたが、おめでたいとしか言いようがありません。あの局はどんなに走っても走っても走っても、姉歯の手のひらから飛び出すことはできないのである。
気付かぬが幸せなのだろう。
そして初公判。
何よりも姉歯氏の、頭部偽装が、今度はどういう形でなされてくるのか…。そこに注目していた国民も少なくないはず。
護送車両に乗せられて、フラッシュの中に浮かび上がった姉歯氏の姿は…禿!禿です!
「え?偽装してくると思った?あっはっは、アテ、反省してまんねん(笑)!」
彼の頭部は何よりも雄弁にそう語っていた。
結局僕らは、姉歯の手のひらから飛び出すことは容易ではないようである。偽装問題の闇はまだまだ、深くて、暗い…。